清心寮は、役職員にとどまらず、地域社会の多くの方々の支えによって、在寮生の社会復帰が促進され、更生保護事業の円滑な事業運営が成り立っています。
立ち直りを支える人達
■協力雇用主犯罪や非行の前歴を承知の上で雇用に協力し、就労後の指導もしていただいている雇用主の皆さん。埼玉県内には約700社の協力雇用主が登録されています。
■無料低額診療済生会川口総合病院のご協力により、在寮者の無料低額診療、健康診断、インフルエンザ予防注射などを実施しています。
■無料法律相談元埼玉弁護士会会長の中山福二弁護士の協力により、年に数回実施しています。
寮生にふれあいと潤いを与えてくださる人達(令和元年度の例を紹介します。)
■絵手紙を書く会さいたま中央地区更生保護女性会早苗恭子さんのご協力により毎月第4日曜日に絵手紙を書く会を開催しています。
■料理教室
蕨地区更生保護女性会による料理教室を年に数回実施しています。
■朝食会さいたま浦和地区更生保護女性会による朝食会を年に数回実施しています。
■秩父への日帰り旅行年1回の恒例レクレーションです。秩父地区更生保護女性会のご協力により、毎年秋に秩父にバス旅行し、女性会に歓待していただいています。
■音楽を楽しむ夕べ
さいたま中央更生保護女性会による年末の行事です。食事を楽しみながら音楽を聴きます。
■餅つき大会
埼玉県保護司カウンセリング研究会のご協力により年末に餅つき大会を開催します。寮生が協力して餅をついたりこねたりし、つきたてのもちを試食します。
■BBSによるレクレーション
埼玉県BBS連盟・さいたま大宮地区BBS会共催などにより、芋ほり&クッキング大会、手打ちそば&うどんづくり、バレンタインクッキーづくり等を開催。
■観劇会
戸田地区更生保護女性会による観劇会に地域の方も含め参加しています。
清心寮の事業運営を支える篤志家
清心寮の経営は、国の委託費のほか、多くの助成団体や篤志家の浄財により支えられています。
■埼玉県更生保護観察協会、日本更生保護協会等からは事業に要する費用の助成を受けています。
■埼玉県下の保護司の皆さんは、清心寮の会員として年会費を納付していただいています。
■埼玉県更生保護女性連盟、地区更生保護女性会、埼玉県佛教会等の団体及び多くの個人の篤志家の皆様から、多額の寄付金や物品を頂戴しています。
地域とのネットワーク形成
■埼玉社会復帰支援ネットワーク協議会
社会復帰を目指す在寮生は、立ち直りに当たり様々な困難や課題に直面します。住民登録などの行政手続き、就労、医療、福祉、住居確保、家族関係の修復、犯罪からの離脱、心の安寧などの問題が複合的に存在します。清心寮では、これらの問題に対する支援や見守りをスムーズに行うため、関係する機関・団体に呼びかけ「埼玉社会復帰支援ネットワーク協議会」を結成しました。「できることを提供しあうゆるやかなつながり」をキーワードとして、刑事司法機関、行政機関、民間団体など多くの機関が参加し、犯罪や非行をした人の社会復帰に向けての対処方法や課題などを共有化するとともに、担当者などの連絡先を登録して、迅速的対応ができるようにしています。今後は、社会復帰が困難な案件について複数の関係者によるケース会議を実施するなど、具体的な連携を進めていきたいと考えています。
■地元の自治会の会員として
毎月の理事会や総会・班長会、さらには成人式、敬老会、神社の祭典、一斉清掃などに積極的に参画するとともに、地域の意見をきいて適切な事業運営に資することとしています。
見学や研修の受け入れ
社会福祉士を目指す学生に必須の実習先として、毎年、大学等から実習生が派遣され、1か月程度、処遇方法などの実践を学んでいます。そのほか、検察官の研修、見学や視察を積極的に受け入れるなど、更生保護施設の取り組みを理解していただくように努めています。年間600名程度の見学等に応じています。
施設の開放
地域貢献の一環として、1階の集会室を地域の皆さんに無料で利用していただいています。コーラスやダンスなどのサークル活動、会議や集会など令和元年度は72の会合が開催されました。