清心寮

清心寮について

更生保護施設とは

 更生保護施設は,矯正施設から釈放された人や保護観察中の人で,身寄りがないことや,現在住んでいるところでは更生が妨げられるおそれがあるなどの理由で,直ちに自立更生することが困難な人たちに対して,一定期間,宿泊場所や食事を提供する民間の施設です。宿泊場所や食事の提供を行うだけでなく,生活指導,職業補導などを行い,自立を援助することで,その再犯,再非行の防止に貢献しています。

 更生保護施設は,現在,全国に103施設があります。そのほとんどは、法務大臣の認可を受けて更生保護事業を営む更生保護法人によって運営されています。埼玉県では、唯一、清心寮が更生保護施設として認可を受けています。
本人の保護に要する費用は、主に国(法務省)の委託費で賄われています。

清心寮の沿革

 埼玉県内には、長きにわたり二つの更生保護会(更生保護施設)が宿泊保護事業を行っておりました。しかしながら、昭和45年と54年に相次いで閉鎖し,保護施設が皆無となりました。この間、更生保護関係者の間から 新施設建設を必要とする声が高まり、昭和51年9月に更生保護会再建の準備委員会が発足しました。 事業開始までの経過は次の通りです。


昭和62年11月 法務大臣から更生保護事業経営の認可及び許可を受け財団法人清心寮が設立された
平成3年3月 保護施設竣工
平成3年10月 被保護者の入寮開始
平成8年4月 更生保護事業法の施行により,更生保護法人設立認可を受け,更生保護法人清心寮の設立となる。

更生保護施設建設は、保護司会、更生保護女性会、仏教会、その他多くの篤志家の協力を得て,三次にわたり賛助会員募集を行ったほか、埼玉県・県下全市町村・日本自転車振興会(現JKA)等の補助金, (財)立川更生保護財団からの助成を得て資金を調達し, 竣工に至っています。

清心寮運営の基本指針

  1. 更生保護を実現する拠点として、地域社会及び地域で社会復帰に取り組む人たちへの貢献を基本的使命とする。
  2. 国、自治体、民間関係者の補助、助成、寄付等により設置された施設であり、その公共的な施設を預かり十全に活用する責務がある。
  3. 保護観察所の委託指針に基づき緊密に連携して業務を推進する。
  4. 論語と算盤」-経営なくして奉仕なし。職員全員が経営者意識を持って職務に従事する。
  5. 地域社会は更生保護施設運営に不可欠の経営資源として対応する。(開かれた運営を進め、適正な経営、財政の安定、処遇風土の涵養、処遇プログラムの効果的な推進、自立支援の実施等へ広く参加、支援を得る。)
  6. 地域社会の風が通り、地域社会の常識が貫かれている施設であるよう心がける。(地域協力者の参加の意義とその積極的受け入れ。)
  7. 個別担当制を処遇の基盤とし、職員が寮生一人ひとりに向き合って接し、寮生各人の生活及び心情を把握するとともにその自覚を高めるよう努める。
  8. 就労、福祉などの生活支援、コミュニケーション能力の改善、日常生活規律の徹底などの具体的な補導の実現を目指す。
  9. 施設の安全保持及び適切な集団管理並びに受け入れ対象者の適切な選択は処遇施設としての基盤である地域社会に対する責任である。
  10. 地域住民の理解は、犯罪をした人たちに対する更生保護事業への深い関心であるとともに寛容と忍耐によるものでもあることを忘れず、その理解は職員、寮生の日常の行動はもとより、ごみの放置ひとつから崩れていきかねないことを銘記する。
  11. 職員間の連携及び健康管理が円滑な施設運営を支える。

建物の概要

鉄筋コンクリート造り4階建て 延べ床面積970㎡


1階 集会室・浴室・洗濯室・埼玉社会復帰支援ネットワーク協議会、埼玉県就労支援事業者機構事務所
2階 相談室・教養室・事務室・宿直室・面談室・寮生居室(3室)
3階 食堂兼娯楽室・厨房・寮生居室(4室)
4階 寮生居室(9室)
寮生居室は,洋式個室を主とし,快適さと 心情の安定に配慮し,各室には机・椅子・ テレビ・冷暖房等の設備がされている。

清心寮内のご案内(写真)

■玄関、入り口付近(2階にあります)

玄関

玄関です。

関前の花々

玄関前の花々。寮生が水やりをしています。

玄関横のプランター

玄関横のプランター。

入口正面

入口正面です。

入口の靴箱

入口の靴箱。職員と寮生の共用です。

入口横の受付

入口横の受付。

事務室

事務室です。右奥隣に宿直室があります。

■1階

集会室

集会室。寮生の教育指導に使用します。地域住民の方々の集会やクラブ活動などに開放しています。

ピアノ

コーラスグループ活動などに利用されるピアノ(集会室)。

絵画

寄贈いただいた絵画(集会室)。

寄贈いただいた絵画

寄贈いただいた絵画。等身大の大きな絵画です(集会室)。

絵手紙作品

寮生などが作成した絵手紙作品(集会室)。

浴室

浴室。毎日入浴できます(夏はシャワー)。

洗濯機

ランドリーコーナー。洗濯機使用は無料です。

■2階

面接室兼交流室

面接室兼交流室。寮生との面談や寮生・求人事業主の面接など幅広く活用されています。

居室前廊下

居室前廊下。換気窓があり、明るい廊下です。

寮生居室

寮生居室。

寄寮生居室

寮生居室。テレビがありエアコン完備です。

■3階

談話室。

談話室。

食堂

食堂。食べ終わった食器は寮生各自が洗います。

居室前廊下

居室前廊下。寮生による掃除でピカピカに光っています。

洗面室

洗面室。ここにも洗濯機が設置されています。

■4階

居室前廊下

居室前廊下。部屋数は9室と多いです。2人部屋が5室です。

洗面室

洗面室。洗濯機が設置され、清潔な雰囲気です。

事業の概要

    1 保護の対象者

    ① 保護観察に付されている者

    ② 刑事施設からの釈放者

    ③ 執行猶予中の者

    ④ 罰金又は科料の言渡しを受け、刑事上の手続による身体の拘束を解かれた者

    ⑤ 労役場から出場し、又は仮出場を許された者

    ⑥ 起訴猶予処分を受け、刑事上の手続による身体の拘束を解かれた者

    ⑦ 少年院から退院し、又は仮退院を許された者

    ⑧ 婦人補導院から退院し、又は仮退院を許された者

    ⑨ 国際受刑者移送法に基づき外国で言い渡された刑についての共助刑の執行を終了するなどした者


    2 保護の内容
    (1)継続保護事業

    改善更生のための保護を必要としている者を収容して、その者に対し、宿泊場所を供与し、教養訓練、医療又は就職を助け、職業を補導し、社会生活に適応させるために必要な生活指導を行い、生活環境の改善又は調整を図る等その改善更生に必要な保護を行う。

  • (2)一時保護事業
  • 継続保護事業以外に次の事業を行う。

    ① 生活の相談

    ② 規制薬物等に対する依存を改善するための専門的な援助

    (3)その他、自立更生に必要な保護の事業

    3 継続保護事業(収容保護)の定員

    男子20名 うち成人17名、青少年3名